阿野幸一先生(著者)×キソニースペシャル対談 阿野幸一先生(著者)×キソニースペシャル対談

阿野幸一先生×キソニー 白熱対談! 第4回【全5回】
英語に「未来」はない!

阿野幸一先生×キソニー 白熱対談!
第4回【全5回】
英語に「未来」はない!

キソニーと阿野先生の白熱対談、第4回。今回は、教科書では習わなかった(かもしれない)、英文法のトリビアをご紹介します! みなさんはwillが何形か、知っていますか?

キソニー
阿野先生のお話を聞いていると、どうして英文法が身につかなかったのかがよくわかります二~。英文法も、スマホみたいに「これはどうやって使うのかな?」っていう発想で覚えればよかったんですニ!
阿野先生
そのとおりです。それともうひとつ、英文法を使いこなすために、まちがえやすいポイントもいくつかおさらいしておくといいかもしれませんね。たとえばキソニーさん、willが何形か、知っていますか?
キソニー
えっ、未来形ですよニ?
阿野先生
いいえ、ちがいます。
キソニー
・・・!!??
阿野先生
英語には現在形や過去形はありますが、未来形はありません。willは現在形ですよ。
キソニー
・・・ニッ!? だ、だって、たとえばI will buy some flowers.っていう文は、未来のことを表していますよニ?
阿野先生
そう、willは未来のことを伝えるときに使う助動詞ですが、買おうと思っているのはいつですか?
キソニー
今・・・? ですか?
阿野先生
そう、もちろん今ですよね。現在の意志であって、あしたの意志ではないですよね。willは主に「その場で判断したこと(=現在の意志)」を伝えるときに使います。「何か」をする意志があると言うとき、その「何か」とは未来の内容ですよね。なので、willは未来形と誤解されてしまうのだと思いますが、willじたいは現在形です。ちなみに、willとbe going toはどう使い分けるか、知っている?
キソニー
ええと・・・ええと・・・
阿野先生
willは主に「その場で判断したこと」を伝えるときに使いますが、be going toは、未来に向かって進行している動作、つまり「すでに予定していること」を伝えるときに使うんです。たとえば「週末にお友だちと買い物へ行く」という表現でも、すでに予定していたのであればbe going toを使うことが多いです。
キソニー
め、目からウロコが止まりませんニ〜!
阿野先生
日本語で意味を暗記するよりも、使い方から英文法を理解するほうが、忘れにくくて使いやすく、うんと便利ですよ。
キソニー
まずは「何を伝えたいか」からスタートして、そのためにはどの英文法を使って伝えるのか、という順序で考えると、英文法そのものについてもよく理解できるんですニ!
阿野先生
そうですね。それこそがまさにCAN-DOの考え方であり、英文法を学習するためにとても大切な発想です。暗記だけでは、「使うために大切なポイント」を見落としてしまいます。
キソニー
うんうん、今すごく実感しちゃいましたニ~。ええと、ほかにも「使うために大切なポイント」ってありますか?
阿野先生
ではキソニーさん、stop to talk とstop talkingを使い分けられる?
阿野 幸一(あの・こういち)

文教大学国際学部国際理解学科教授。NHKラジオ「基礎英語3」(2008~ 2012年度)、「基礎英語2」(2013年度~)講師。早稲田大学大学院教育学研究科英語教育専攻修了。専門は英語教育(主に中学校・高等学校での指導方法)、応用言語学。埼玉県立高等学校・中学校、茨城大学を経て、現職。大学では英語教員養成を中心に担当。著書に、文部科学省検定教科書『All Aboard! Communication English Ⅰ・Ⅱ』(共著・東京書籍)、『NHK 基礎英語 阿野幸一のグラマーポイント』(NHK出版)、『NHK CD BOOK 基礎英語3 千夏の青春ストーリーで学ぶ 伝わる英会話70表現』(共著・NHK出版)などがある。