複雑に考えて仕事する自分を、誇りに思っていないか。

複雑な世界だからこそ、「シンプル」に。 ビジネスをクリエイティブで成功させるヒントが、ここにある。

「シンプル」は現代ビジネスにおける最強の武器だ

スティーブ・ジョブズのもとでアップルの「Think different」キャンペーンにたずさわり、iMacを命名した伝説のクリエイティブ・ディレクターが初めて明かす、ビジネスとクリエイティブにおける「シンプル」という哲学。

いまや世界一のテクノロジー企業となったアップル躍進の秘密とは?もちろん誰もが知っている事実がある。アップルには偉大なるビジョナリーがいた。デザインに優れ、エンジニアリングにも、製造も小売もマーケティングもコミュニケーションもすべてが優れていた。だが、それらすべてを超越した何かが、真にアップルをアップルたらしめたのだ。

アップルは「シンプル」の熱狂的信者なのだ

本書は著者にしか知りえないさまざまなアップルでのエピソードを題材としながら、〈シンプル〉という哲学を、核となる10の要素に落としこんで紹介する。マーケティングの考え方、イノベーションをいかに生みだすのか、組織の生産性をどう高めるのか、アイデアを実現させる方法、意思決定の仕方、社内や顧問とのコミュニケーションのとりかたまで ―あなたも〈シンプル〉という武器を手にすることで、この複雑な世界においてクリエイティブな力を発揮することができるはずだ。

目次

Introduction - シンプルの杖 第1章 Think Brutal 容赦なく伝える 残酷なまでに正直であることの価値 第2章 Think Small 少人数で取り組む 有能で小さなグループを信頼する 第3章 Think Minimal ミニマルに徹する 余分なムダをそぎ落とす 第4章 Think Motion 動かし続ける 停滞が複雑さを招く 第5章 Think Iconic イメージを利用する メッセージを象徴するアイコンを選ぶ 第6章 Think Phrasal フレーズを決める 一語一語に意味を持たせる 第7章 Think Casual カジュアルに話しあう 堅苦しい会議は何も生まない 第8章 Think Human 人間を中心にする 数字に支配されてはいけない 第9章 Think Skeptic 不可能を疑う 「出来ない」の犠牲になってはいけない 第10章 Think War 戦いを挑む 「シンプルさ」は最強の武器 Conclusion - Think Different

著者

ケン・シーガル

広告のクリエイティブ・ディレクターとして数々の賞を総なめにし、スティーブ・ジョブズとはNeXT時代から計12年間ともに働いてきた。1997年には倒産の危機にあったアップルに復帰したジョブズに再び起用され、伝説のマーケティングキャンペーン Think different の制作に参画。また「iMac」を命名したことでその後のアップルの「i」シリーズを生みだすなど、アップル復活において重要な役割を果たしている。
アップル栄光の時代に、グローバルな広告展開を統括しながら、アップルの「トップ100」会議にも出席するなど、ジョブズの至近距離からそのクリエイティブなビジネススタイルを身をもって経験してきた。また、いくつかの広告代理店のグローバル・クリエイティブ・ディレクターとして、デルやIBM、インテル、BMWなどとも仕事をしたことで、各企業の違いを客観的かつ具体的に比較できる貴重なキャリアを持つ。
  • 著者ホームページkensegall.com
  • テクノロジーとマーケティングについてのブログ 「Ken Segall's Observatory」 kensegall.com/blog
  • アップルを題材にした風刺ニュースブログ 「Scoopertino」scoopertino.com

監修者

林 信行

フリーランスITジャーナリスト兼コンサルタント。70年代からパソコンに興味を持ち、90年代から取材と執筆活動を続ける。スティーブ・ジョブズ復帰や初代iPod発表も直に取材した。アップルやグーグルの企業動向の分析をはじめ、ブロードバンド化やブログ、SNSといった新トレンドにも早くから注目、近年はグローバル化への対応を迫られる日本企業に、アップル、グーグルやシリコンバレーの起業家の考え方やノウハウを伝えている。主な著書に『ジョブズは何も発明せずに生み出した』(青春出版社)、『iPhoneショック』(日経BP)、『スティーブ・ジョブズ』(アスキー)、共著に『アップル・コンフィデンシャル2.5J』(アスペクト)、『アップル vs. グーグル』(ソフトバンク)、監訳にリアンダー・ケイニー著『The Cult of Mac』(エスアイビー・アクセス)など多数。