初心者のためのメイカームーブメント講座 一体、メイカームーブメントとは何なのか!? クリス・アンダーソンの新著「MAKERS -21世紀の産業革命が始まる」に質問をぶつけてみたゼ!!

メイカーって誰のことですか?
「僕らはみんな作り手<メイカーズ>だ。人間は生まれながらのメイカーズで(お絵かきや積み木やレゴや手作りおもちゃに夢中になる子供を見るといい)、もの作りへの愛情は、多くの人々の趣味や情熱の中に生きている。それは、工房やガレージやおたくの部屋の中だけのことではない。料理が大好きな人は、キッチン「メイカー」で、オーブンがその工房だ(家庭料理はなによりのごちそうじゃないか?)。植物が好きな人は、ガーデン「メイカー」だ。編み物、裁縫、スクラップブック作り、ビーズ編み、クロスステッチ──どれも、もの作り<メイキング>だ。」(p20-21)
どこで、ムーブメントは起こっているんですか?
「創作活動を通して、数百万の人々が自分のアイデアと夢と情熱を表現している。しかも、ほとんどの場合は自宅にいながらにして可能だし、それは都合のいいことだ。だが、ウェブ時代のもっとも根本的な変化のひとつは、オンラインでの共有がデフォルトとして定着したことだ。なにかを作るときには、ビデオ撮影する。撮影したら、投稿する。投稿したら、友達に宣伝する。オンラインで共有されたプロジェクトは、他者のひらめきとなり、コラボレーションのきっかけとなる。一人ひとりの作り手<メイカーズ>が世界中でつながったとき、ムーブメントが生まれる。それまでひとりで作業していた数百万のDIY実践者が、突然みんなで協力し合うようになるのだ。」(P21)
伝統工芸から大企業まで、今までも、ものを作る人はたくさんいたはず。従来のもの作りとはいったい何が違うんですか?
「メイカームーブメントとは正確にはなにを指しているのだろう?それには、伝統工芸からハイテク電子機器まで、さまざまなもの作りの活動が含まれるが、大半は昔から存在しているものだ。しかし、少なくとも本書でいう「メイカーズ」には、これまでとは違う点がある。まず、メイカーズはデジタルツールを利用して画面上でデザインし、デスクトップの工作機械でもの作りを行う。次に、ウェブ世代のメイカーズは当たり前に自分の作品をオンラインでシェアする。もの作りのプロセスにウェブ文化とのコラボレーションを持ち込むことで、メイカーズは、これまでのDIYには見られなかったほどの大きな規模で、一緒になってなにかを作り上げている。」(P31)
メイカームーブメントを起こすのには、どんな工具やソフトウェアが必要ですか?

「ここで書いたものはすべて、僕が個人的に使ったことがあり、お勧めできるものだ。」

  1. 1. CAD(コンピュータ支援設計)ソフト

    「CADはもの作りのワープロソフトのようなものだ。スクリーン上で自分のアイデアを表現し、編集するための道具だと思えばいい」 (付録「二一世紀の工房」より)
    立体のオブジェクトをデザインするためのソフトウェア。ウィンドウズやマックのお絵かきソフトのような要領で、スクリーン上で立体物をデザインすることが出来る。
  2. 2. 3Dプリンタ

    「3Dプリンタは究極の試作ツールであり、画面上のビットをあっという間に手の中のアトムに変える道具だ」 (付録「二一世紀の工房」より)
    画像:3Dプリンター インクジェットプリンタが紙の印刷物に描写するように、CADソフトで制作したデータをもとに立体物を制作することができる。溶解プラスチックや液体、粉末樹脂のほか、ガラス、鉄、ブロンズといった素材を使えるものもある。
  3. 3. CNC(コンピュータ数値制御)装置

    「使い方が比較的簡単で、ほとんどどんな素材でも加工でき、デスクトップ型ならレーザーカッターよりも安くて小さい」 (付録「二一世紀の工房」より)
    画像:CNS(コンピュータ数値制御装置) ドリルを使ってプラスチックや木や金属の塊からものを削り出す。レーザーカッターと違い、三面を正確に削り出すことができるため、多層で複雑な形状のオブジェクトを作ることができる。
  4. 4. レーザーカッター

    「レーザーカッターなら、だれでもおしゃれなものを作ることができる」 (付録「二一世紀の工房」より)
    画像:レーザーカッター プラスチックや木や金属にどんな複雑な模様でも正確に描き出す装置。基本的には2Dのオブジェクトを作り出す。頑丈な立体物のパーツを制作することができる。
  5. 5. 3Dスキャナー

    「3Dスキャナーは、きちんと設定すればCADソフトよりも速く世界をデジタル化できる」 (付録「二一世紀の工房」より)
    画像:3Dスキャナー レーザーがあらゆる角度からオブジェクトを照射し、3Dの画像データを制作することができる。多くの場合、CADにも取り込みができるので、作業を省力化できる。
「なるほど、つまり今までのモノ作りが、最新の機器やネットワークと結びついて、超スゴイことになるってことッスね!!」