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“面白い”を仕事にする。

Simple x Japan 面白法人カヤック 代表取締役 柳澤大輔氏 インタビュー 第2回
category : Simple x Japan | date : 2012.05.22
大学卒業後、ソニー・ミュージックエンターテイメントを経て、大学時代の友人2人と面白法人カヤックを設立した柳澤氏。カヤックはサイコロが出た目で給料が変動する「サイコロ給」や1アイデア100円で買えるサービス「元気玉」など斬新な企画を次々に生み出す起業だ。そんなユニークな会社の代表である柳澤氏に、会社にかける思い、チームワークのあり方、仕事へ向かう姿勢についてお伺いした。

面白法人カヤック 代表取締役 柳澤大輔氏

1974年香港生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を卒業後、ソニー・ミュージックエンタテインメントを経て、1998年、学生時代の友人と共に面白法人カヤック(合資会社カヤック)を設立。モットーであるユニークさを体現するプロダクツは、業界内外から注目を集めている。著書に「アイデアは考えるな」(日経BP社)、「面白法人カヤック会社案内」(プレジデント社)などがある。

面白法人カヤックが株式会社になった’05年を「第二次創業期」と考えていると伺いました。「第一次創業期」と「第二次創業期」の違いを聞かせてください。
さきほどお話しした「『何をするか』より『誰とするか』」という大事なキーワードだけはありましたけど、第一次創業期は経済や法人のメカニズムもよくわかっていないまま、会社を立ち上げたんです。それが、’05年に株式会社にしたことで、僕はクリエイターから経営者に変わったんだと思うんですね。そのときに会社のメカニズムを研究した結果、「会社って大きくしていかないと成熟した会社とは言えないんだな」ということがわかりました。
従業員の数とか、続いている年数とか、いろいろな数字があっていいと思うんですけど、自己ベストを更新し続けている大きな企業は、基本的には成熟していて、僕らより先を行っているんだということがわかってきたんです。それで会社を大きくしようと決めたのが第二次創業期です。
会社を大きくしていく上で、どうやって「『何をするか』より『誰とするか』」というKAYACスタイルを共有できる仲間を見つけていったんですか?
やり方としては単純で。「××な人、求む!」とか言っても来てもらえないので、まず「自分たちはこういう人です」ということを発信して、そこに加わりたい人を募集するというかたちにしたんです。その上で、双方が「一緒に働きたい」と思った人を採用ということにしました。新卒採用や「このポジションが空いてるから」というかたちで採用を始めたのは次の段階で、最初はほんとそれだけだったんです。どんな人が来るのかもわからなかったですからね。
ちなみに、今年の新卒採用はバス一台をラッピングして、それで全国をまわって説明会をしました。会社が大きくなってくると、予算も増えてくるので、やれることも広がってきています。
やれることが広がれば広がるほど、組織が複雑になって、どうマネジメントするのか難しくなるんじゃないですか?
カヤックは何をやってるのかわからない会社に見えると思うんですけど、組織軸でみるとウェブ・クリエイターがほとんどです。企業って、組織と事業、二つの軸で見れると思うんですけど、たとえばアップルは商品数を絞ってるから、事業が究極にシンプルですよね。うちはウェブ・クリエイターしかいないので、組織としてすごくシンプルな会社だと思います。
やっぱり、「誰とするか」にこだわると言っても、人の好きか嫌いはありますし、人数が増えてくるとどうにもならない部分はあります。相性の良い・悪いってあるから、「『何をするか』より『誰とするか』」というKAYACスタイルは維持するのが難しいんじゃないかと思ったんですね。どうすれば維持できるかと考えたときに、職種をウェブ・クリエイターに絞ることに決めたんです。パソコンの前にずっと座って、ものをつくるのが好きという価値観を持っている人同士であれば、ある程度共通するものもあると思いまして。