人型四脚ロボットKURATASの開発秘話にMakerの精神をみた ~日本科学未来館に行ってきたゼ!!

取材記事 2012.11.30
 先日、日本科学未来館で開かれた人型四脚ロボットKURATAS展示の説明&撮影会に行ってきた。

 KURATAS については、こちらのポストでも投稿したことがあるが、水道橋重工さんが開発した、実際に人が乗って操縦することができる高さ4mのロボットである。子供のときの夢が実現されたようなプロダクトだ。展示が発表されてから、待つこと数週間。憧れの KURATAS に会ってきた。

 一足、早く KURATAS を拝んできたので、報告するゼ!!

会いにいける人型四脚ロボット KURATAS


 会場に入ると、どどーんと KURATAS が待ち構えていた。


KURATAS全形

 シャープでソリッドで、めちゃくちゃかっこいい!!
寄った写真もぜひ!


KURATASのアップ

 ちなみに、あまりにクールでかっこいいので、モノクロに加工もしてみた。


KURATASモノクロ

 うぉぉ、こっちもかっこいい!!

 KURATASの動いている姿は、水道橋重工さんが公開している動画を参照されたい。


"KURATAS - Suidobashi heavy industry"



"HOW TO RIDE KURATAS - Suidobashi heavy industry "

自分の面白いものを作る!


 そして、企画・設計・制作を担当した倉田光吾郎さんによる KURATAS の説明が行われた。


左がロボットの制御システム「V-sido」を開発した吉崎航さん 右が倉田さん

 開発のきっかけを、倉田さんは巨大ロボットに自分で乗ってみたかったからだという。「幼少のころ、21世紀には巨大ロボットがいるはずだと思っていた。ただ現実には、いくら待てども、アシモとか小さなロボットしか作られない。もう待っていられないので、自分が作るしかないと思った」と語った。実際に、1/1ボトムズ(サンライズのアニメ「装甲騎兵ボトムズ」に登場する「スコープドッグ」という、全高約4mのロボット)を作ったことがクラタスを作るきっかけとなったそうだ。

※参考:日経ビジネスEXPRESS「ボトムズを作ってしまった男、語る


搭乗した KURATAS から降りてくる倉田さん。 KURATAS はとても迫力がある。

 基本的に、アシスタント無しで一人で物作りをされているそうだが、今回の制作を通して、「面白いものを作ろうとすると、面白い人が集まってくる!」という実感を得たという。ロボットの制御システムについてはノープランで進めていたが、ブログのコメント等を通して吉崎さんという最高のパートナーに出会った。ほかにも、さまざまな方面から、多くの人に助けられ、どんどん実機が充実していったそうだ。

※参考:吉崎さんのサイト「ヒューマノイドロボットのための演技指導ソフトV-Sido

 倉田さんは日本のもの作りには技術はあるが、なにを作ったら、いいのかよく分からないという話をよく聞くそうだ。しかし、「自分が1/1のボトムズを作ったら、もっと巨大な18mの1/1ガンダムがすぐに作られたので、日本には高い技術力があると思う。だからこのクラタスをきっかけにどんどん巨大ロボが誕生してほしい」という。そして、今後の日本のもの作りについても「活きの良い作り手たちは大勢いるので、もっとガンガン面白いもの作りが増えてくるなと、いいなと思う。まず、もの作りを楽しむことに立ち返ることが大事なのでは」と仰っていた。


とにかく自分が面白いものを作れば良い、と新たな風を吹き込む倉田さんの姿に
“日本Maker界の坂本龍馬”というフレーズが頭に浮かんでしまった。

 そして、今回の KURATAS の展示を見た子供たちに、どう感じてもらいたいかという質問に対して、「頭でっかちにならず、とにかく面白がってもらいたい。もし、楽しんでもらえたら、やってみたらわかることが多いので、まず何かを作ってみてほしい」と語っていた。

 KURATASのような、めちゃくちゃクールで、とてつもなく大きなものを作るのにも、自分の作りたいものを作るという Maker の精神が貫かれている。

 もちろん、すぐに誰でも素晴らしいプロダクトを作れるというわけではないだろう。
 でも、やっぱりもの作りって面白い!! 倉田さんのお話に半端じゃなくシビれてしまったゼ!!

※現在、KURATASは日本科学未来館にて展示中(12月10日まで)。 12月1日、2日開催のMaker Faire Tokyo とあわせて要チェックだ。

TEXT BY AMANO KEI

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