クリス・アンダーソンの工場に行ってきた:WIRED裏訪問記(後編)
クリス・アンダーソンの工場に行ってきた:WIRED裏訪問記(後編)
3Dロボティクス:サンディエゴ工場
国境のメキシコ側の町ティフアナの工場を見た後で国境を徒歩で越えてアメリカに入国(1時間半ほどかかった)、サンディエゴ・トローリーのブルーラインで市内に入って1泊し、翌朝3Dロボティクスのサンディエゴ工場を訪問した。
サンディエゴのオフィス兼工場は市内から車で20分ほど北へ行った場所にある。。
R&D部門であるオフィスに立つジョルディ・ムノス。クリス・アンダーソンと一緒に3Dロボティクスを立ち上げた共同最高経営責任者だ。『MAKERS』の中にその時のエピソードが詳しく載っている。
整理整頓された工場部門と違い、R&D部門の机はこんな感じ。所狭しと部品やドローンが置かれている。
さりげなくオフィスに置かれた3Dプリンタ。ストラタシス社製のFORTUS 250mcだった。
ムノス曰く「ちょっと古いので近々買い換える予定」
R&D部門では3Dプリンタを使って試作品がすばやく作られる。
ギークな雰囲気を醸し出す受付の時計
工場部分のツアーをしてくれるムノス。手前が電子基板の製造エリア、奥がマニュアル作業エリア。
はんだ付けや動作テストなど、機能はティフアナ工場と同じ。
こちらではユーザーの細かい要望に応じた小ロットで高性能な電子基板部品などを作っている。
はんだ印刷機と自動実装機
サンディエゴ工場はインベントリとロジスティクス部門も兼ねている。
オフィスの裏で、クアッドコプターの実演を見せてくれた。
R&D部門の彼はドローンの競技会で優勝するほどの腕前だとか。好きで得意なことがそのまま仕事になっている。
おまけ 3Dロボティクス:バークレー・オフィス
この後、サンディエゴからサンフランシスコに飛んで、翌日クリス・アンダーソンとランチをした後にオフィスを案内してもらった。その様子はWIRED.jpのこちらの記事をご覧いただきたい。ここではおまけショットをいくつかご紹介。
WIRED.jpの記事の枕に使われている900GRAYSONの名物料理Demon Loverはこれ。
ヘッドオフィスとなるウエスト・バークレーのオフィスの全景
クリスとデスクを並べるジョンもドローンズのネット・コミュニティの熱心なメンバーからそのまま3Dロボティクスに入った一人。自動飛行の際のアクロバテイックスのスクリプトを書いている。
ということで最後に記念撮影をパチリ。
取材後記
実はティフアナ/サンディエゴ両工場とも近々移転することが決まっているので、この取材写真もほどなく「幻の工場」となる。もともと3Dロボティクスを立ち上げるのに先立って、クリスは自宅のダイニングテーブルではんだ付けをするところから始めている。両工場の責任者であるムノスとロメロも同様で、当初は自宅のアパートが工場だった。事業が軌道に乗るにつれて、工場スペースを借りるようになり、大きなところに移り、メキシコのティフアナにメインの製造工場を作るに至ったのは『MAKERS』でも紹介されている。そして間もなく移転する次の工場は今よりもさらに大きく、ティフアナ工場が1万5000平米、サンディエゴも1万4000平米になるのだという。取材した週だけで4人を新たに雇ったというエピソードにしろ、この工場移転の話にしろ、とにかくスタートアップのダイナミズム(しかもメイカー企業ならではの、工場付き)を目の当たりにした3日間だった。
TEXT BY MICHIAKI MATSUSHIMA