クリス・アンダーソンの工場に行ってきた:WIRED裏訪問記(前編)

取材記事 2013.04.02
 『MAKERS』の著者クリス・アンダーソンが10年以上にわたって編集長を務めてきたWIRED誌は僕にとって常に時代をリードする憧れの雑誌だ。現インフォバーンCEOの小林弘人氏(こばへん)が日本でWIRED日本版をスタートして以来のファンと言える。今回そのWIREDのウェブ版に、若林恵編集長のご厚意でクリス・アンダーソンのインタビュー記事を掲載していただいた。まさに天にも昇る心地です、正直。

 しかし、実はこの取材、クリスのいるバークレー以外にも、メキシコのティフアナ、そして隣接するアメリカのサンディエゴと、彼のメイカー企業3Dロボティクスの工場を取材してきたものの、WIREDの記事ではほとんど触れることができなかったのが心残り……。メイカームーブメントというけれど、デジタル工作機器を使いながら製品を内製するメイカー企業の実態とは? というわけで、「裏訪問記」と題してクリスの工場の扉の向こうを大公開するフォト取材記をどうぞ。




3Dロボティクス:ティフアナ工場



パシフィック工業団地の一角に位置するティフアナ工場はこの建物の一番奥の一角。



マネジャーのホセ・ロメロ。手には主力商品ヘキサコプター。
手前がオフィス・スペース、扉の向こうが工場スペース。



 まずはマネジャーのロメロがアップしている動画を見ていただきたい。自動操縦テクノロジーを備えた小型無人飛行機であるドローンズやヘキサコプターについて、ざっくりとイメージができるはずだ。





 メキシコ工場では現在、主力商品のクアッドコプター(プロペラが4つ)、ヘキサコプター(プロペラが6つ)、アルデュプレーンの組立工程やメインのパワーモジュールの製造を行なっている。



工場内はこんな感じ。写真左手には電子基板を作るためのはんだ印刷機、自動実装機やはんだの溶着を行うリフロー炉がある。画像の右手側には切削ルームや組立エリアが続いている。



無人の自動実装機が動き続ける。



奥のはんだ付けエリア。巧みな手さばきで配線を溶接する。



こちらはテストエリア。ひとつひとつPCに繋げて動作確認。



クオリティ・チェック・エリア。回線もひとつひとつ調べます。



出来上がったモジュール、袋詰されて単体でも出荷される。



こちらはCNCマシンを使って部品を切り出す切削ルーム



3Dデータを画面で見ながら何やら思案中。



部品の組立エリア。ひとつ作るのに30分ほど。



出荷を待つヘキサコプターの完成品。



箱の中身はこんな感じ。



完成したヘキサコプターを手に、センサーやGoProのカメラなどさまざまに拡張可能なことを説明してくれるロメロ。本当にイケメン色男なのだが、実は日本のアニメの大ファンで、いつか秋葉原に行きたいとのこと。忙しい中で1時間ほど取材に丁寧に応じていただき、最後はサンディエゴとの国境近くまで車で送ってくれた。Thanks!



ティフアナとサンディエゴの国境を徒歩で越える。この両地の近さがイノヴェーションに有利に働くという。

■次回:サンディエゴ工場へ!
TEXT BY MICHIAKI MATSUSHIMA

おすすめだz!!